駅前のロータリーには古関の記念碑があり、代表曲が1時間ごとに流れる仕組みになっている。市内には古関裕而記念館があり、使用したオルガンや8ミリ撮影機、直筆の楽譜が遺されている。

五輪延期で肩透かし……それでも負けない福島の執念

東京五輪では、福島で野球とソフトボールの試合が開かれる予定があり、古関の「オリンピック・マーチ」を再び使ってもらおうとの運動も始まっていた。だがコロナ禍の影響で開催が1年延期となり、期待した観光客もいまはなく、関連イベントもほとんどが中止となった。

せっかくの期待が肩透かしになったが、それでも福島では、「エール」を盛り上げようとの企画が進んでいる。福島商工会議所では、地元のすし組合加盟店で、生前の古関の好物だったという「いなり寿司」のほか郷土料理を特典として付けるサービスを始めた。

「来年の福島の東京五輪会場で『オリンピック・マーチ』を流してもらえればうれしい。『エール』はこれから父の作品がどんどん出てくるはずなので、皆さんに楽しんでもらいたい」と正裕さん。

「栄冠は君に輝く」も福島会場で流れれば、古関も喜ぶだろう。

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