機内食工場では売上高97.1%減のところも
最後に機内食事業を確認する。20年1~3月期の業績は、売上高が前年同期比31.3%減の15億円、経常損益が2億3000万円の赤字(前年同期は2億4500万円の黒字)だった。
機内食は、ロイヤルにとって創業当時から68年にわたって手がける重要な事業だ。現在は、約30社の航空会社に提供している。関西工場(大阪府泉南市)と福岡工場(福岡市)、沖縄工場(那覇市)の3つの工場を持ち、ここから供給している。同事業も、近年はインバウンド需要の増加で好調に推移していた。19年12月期の既存店売上高は関西工場が14.4%増、福岡工場が5.1%増、沖縄工場が21.2%増とそれぞれ大きく伸びている。
だが、こちらも新型コロナの影響で航空便の運休や大幅な減便により売り上げは激減。20年1~3月期の既存店売上高は関西工場が35.1%減、福岡工場が23.2%減、沖縄が17.3%減とそれぞれ大きく落ちんだ。4月も大きく落ち込んでおり、関西工場にいたっては97.1%減の大幅マイナスとなっている。
リスク分散の体制をつくっていたが…
ロイヤルHDはこのように4つの事業を軸に経営を推進し、いずれもしっかりとした収益を生み出せていた。つまり、リスク分散ができていたわけだ。何か異変が起きて1つ2つの事業が不振に陥ったとしても、ほかの事業でカバーできる態勢になっていた。
だが新型コロナは4事業すべてに襲いかかり、いずれも大打撃をこうむってしまった。新型コロナは、同社が長い時間をかけて築いたリスク分散という盾をいともたやすく破壊してしまったのだ。こうした状況のためロイヤルHDは不採算店70店を閉鎖するなどして収益力を高め、各事業を立て直したい考えだ。今後の奮闘を見守りたい。