ホテルは客室稼働率90%から70%まで低下
次はホテル事業を確認する。20年1~3月期の業績は、売上高が前年同期比24.1%減の約51億円、経常損益が10億円の赤字(前年同期は3億9200万円の黒字)だった。
ホテル事業では「リッチモンド」ブランドを展開。同ブランドは顧客満足度が高いことで知られている。日本生産性本部・サービス産業生産性協議会がまとめた「日本版顧客満足度指数(JCSI)」のビジネスホテル部門において「顧客満足」の順位で例年上位にランクされているのだ。18年度までは4年連続で1位を獲得していた。
フランチャイズを含めたホテルの店舗数は、3月末時点で43店。近年の訪日外国人(インバウンド)の増加を追い風に店舗数を増やしている。客室稼働率も高まっており、19年12月期は90.7%だった。大手都市ホテルの採算ラインは7割と言われており、9割超えは申し分ない水準といえる。このように好調に推移していたが、新型コロナの影響で業績は急激に悪化。20年1~12月期の客室稼働率は70.7%まで低下した。
インバウンドで空港ターミナルレストランは好調だった
続いては、レストランの運営受託事業だ。20年1~3月期の業績は、売上高が前年同期比19.2%減の68億円、経常損益が3億800万円の赤字(前年同期は3億700万円の黒字)だった。
同事業では、全国の主要空港のターミナルや高速道路のサービスエリア、事業所などでレストランほかさまざまな飲食業態を展開している。近年はインバウンド需要の増加により特に空港ターミナルが好調で、既存店売上高は増加が続いていた。19年12月期は3.1%増だった。今年3月末時点の空港ターミナル内の店舗数は48店で、18年までは増加傾向にあった。
このように空港ターミナルがけん引したこともあり、同事業の業績は好調に推移していた。しかし、新型コロナの影響で航空便の運休や大幅な減便により空港ターミナルの利用者は激減。20年1~3月の空港ターミナルの既存店売上高は前年同期比で21.2%減った。また、外出自粛や在宅勤務の広がりで高速道路のサービスエリアや事業所の既存店売上高も落ち込んだ。高速道路が13.1%減、事業所が13.3%減だった。