答えの丸暗記では、世界で通用しない

新型コロナウイルスが日本のあらゆる産業に大きな打撃を与えている。しかも今までの生活スタイルやビジネスシーンなど日常の経済活動にも変革をもたらしつつある。企業がアフターコロナ時代を生き残るには従来の常識を覆すような技術革新やビジネスモデルの創造が不可欠であり、企業経営者の力量が改めて問われている。

会議室でミーティングする3人のビジネスマン
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日本の経営者に関して、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏が「現代ビジネス」の対談(2020.5.10)でおもしろいことを言っていた。世界的に産業構造が変わるなかで日本企業が構造変革に対応できなかったのは、日本の経済人が「国際的にみると驚くほど低学歴になってしまった」からだという趣旨の発言をしている。

低学歴というのは中卒・高卒のことではなく、18歳で大学に合格しただけの知識・学力しか持ち合わせていないことを指している。こうも言っている。

「物事を一般化、抽象化して普遍の原理原則から演繹する思考法が、訓練されていないと、変化に対応できません。だからこそ、高い学歴が価値を持つのです。18歳の時に答えを丸暗記して対応できる試験に合格した、そのアプローチだけでは通用しません」