国連は中立、平等は幻想だ

だが、WHOは無色透明の組織ではない。国際政治学者の詫摩佳代氏は『人類と病』(中公新書)で〈WHOは国際社会の中で独立した主体ではない。所詮、加盟国の合意によって設立された国際機関であり、財政的に加盟国に依存し、加盟国の合意に基づき、行動している〉〈国際政治の影響を受けざるを得ない〉〈アメリカや中国など、分担金負担率の多い国の顔色をうかがわなければならないことは、その最大の弊害〉としている。

そうした弊害を上手く使いこなし、感染症をはじめとする様々な脅威に対抗するのが「WHOの腕の見せ所」だと指摘する。日本人には国連などの国際機構に対しても「中立にして善であり平等である」とのイメージを抱いているが、こうした考えはあくまでも幻想に過ぎないことを、今回のコロナ騒動から学ばなければならないのかもしれない。

【関連記事】
世界中で日本だけ「コロナ感染のグラフがおかしい」という不気味
コロナ抑え込みに成功した韓国がまもなく限界を迎える理由
「新iPhone SE」"圧倒的コスパ"は本当なのか。それとも鉄くずか
アフターコロナで「日本が一人勝ち」するかもしれないのはなぜか
日本人の「手作り布マスク」を見て、中国人が「この発想はなかった」と感動するワケ