オンライン飲み会で「やってはいけない」3つのNG行動
今度はオンライン飲み会のデメリットを3つほど挙げてみます。まず、「酔った感じがなかなかしないこと」です。これは家で飲んでいるから当たり前なのでしょうが、やはり直に乾杯できる喜びはコロナ終息後まで待たなければなりません。
次に、「他のグループなどとの交流がしづらいこと」です。たまたま隣のテーブルで飲んでいた人たちと盛り上がるようなことが起こり得るのは、居酒屋というリアルな空間共有あればこそです。コロナ以前には何でもない偶然の出会いが、実は途轍もなくうれしい出来事だったのですね。
最後は、「オンとオフの切り替えがしづらいこと」です。多くの人が自宅でリモートワークをしているので、スーパーなどでもアルコール飲料の売り上げが増加しているそうです。昼間からでも飲めてしまうこの状況下では、仕事とプライベートの切り替えに苦労している人も多いのではないでしょうか。
これらのメリット、デメリットを踏まえて、オンライン飲み会に必要とされる作法を私なりに考えてみます。
①時間を決めよう
オンライン飲み会は切り上げ時が難しいですが、何事もだらだらやっていては楽しくありません。2時間なら2時間と時間を決めれば、メリハリが生まれます。それでももっと飲みたい人は、飲みたい人同士で盛り上がりましょう。
②無理強いをしない
特に世代の違う人を誘う場合は注意しましょう。また、みんなリモートで仕事を抱えていますから、「出入り自由」を基本にしましょう。
③プライベートには触れない
画面背景を見て、室内が散らかっていたり、あるいは小さな子供の泣き声やトイレの流す音が聞こえてきても、当人がそのことに触れないかぎり大人の対応をしましょう。特に相手が女性の場合は、セクハラ案件になる可能性だってあります。「その人の家にお邪魔している」感覚が大切なのかもしれません。ちなみに私は出オチですが「電波少年」のバーチャル背景を使用しています。
人間の心象風景を想像する絶好のチャンスに
以上の作法を参加者が身に付ければ気持ち良いオンライン飲み会ができるでしょう。それでも、オンライン飲み会にある種の疲労感を感じているのは私だけではないはずです。それは、参加者全員が同じ話題に聞き入る、相槌が入れづらいなどさまざま理由がありますが、一番はこれほどまでに「自分の顔が常に自分に向けてさらされている飲み会」がなかったからだと思います。
しかし、不慣れなことで疲れてしまうと悲観する必要はありません。いつだってピンチはチャンスと背中合わせです。「自分は喋っている時、こういう表情になるのか」というチェックを積み重ねることは、自分自身を磨く材料になる可能性を感じます。
そして、ここからが落語家流のアドバイス。落語はこのコラムでも何度も語ってきたように、「他者目線」が基本です。何人もの登場人物を演じつつ、お客さんの反応を読み込みながら次のセリフをつなげていく芸能です。
みなさんも画面に映った飲み会の参加者の顔色を見ながら、「Aさんはどんな気持ちでいるのだろうか」「Bさんにこんな言葉を伝えたら喜ぶかもなあ」と、相手の立場になって挑んでみてはいかがでしょうか?
これは人の心象風景を想像する絶好の訓練になるはずで、きっとさまざまな発見があるはずです。このコロナ禍でちゃっかりコミュニケーション能力を磨くことができれば、まさに「ケガの功名」でもあります。