「新しい生活様式」は江戸の昔から始まっていた?
相変わらず落語や講演など、ライブ系の仕事は飛んだままです。
一方で、出版の依頼は相次いでいて、8月にも『安政5年、江戸パンデミック』(仮題)という本を急遽、出版することになりました。急ピッチで原稿を仕上げたところですが、その過程でちょっと面白いことを思いつきました。
それは、「江戸末期の安政年間(1854~1860)とは、安倍政権の略ではないか」ということです。
もちろん、安倍さんを批判しようとか、「昔のほうがよかった」などとノスタルジーに浸りたいわけではありません。ここで言いたいのは、政府が提唱する「新しい生活様式」などというものは、すでに「江戸の昔から始まっていたことではないか?」という仮説です。
まずは安倍政権下で起きたことと、安政期に起きたことを、かんたんに比較してみましょう。
①疫病がはやった
安政5年(1858)の6月に日米修好通商条約が締結されて、鎖国は終わります。その1カ月前の5月21日、上海から長崎港に入港したアメリカ船ミシシッピ号の船員がコレラに感染し、そこからパンデミックが始まります。コレラは長崎、中国地方、関西、そして東海道を通じて江戸にまで広がり、未曽有の死者数に火葬が追い付かず、数万人の死者が出ました。
②地震が多発した
安政期だけでも、安政伊賀地震、安政東海地震、安政南海地震などが発生し、やはり数万人が犠牲になりました。
③政情の不安
「安政の大獄」「桜田門外の変」など、日本史にも残る大事件が発生しました。