生体リズムの乱れは精神論で片付けられない

頻度が少ない他の内因性概日リズム睡眠障害に不規則型睡眠覚醒パターンがあります。一日に3回以上眠ることが1週間以上続いた場合、この病気の可能性があります。生まれつき脳に障害のある子供や、頭部外傷、脳腫瘍脳炎などに合併しますが、引きこもりなどで夜に睡眠を取らず、昼に眠る生活をしていると発症することもあります。

西野精治『睡眠障害』(KADOKAWA)
西野精治『睡眠障害 現代の国民病を科学の力で克服する』(角川新書)

内因性の概日リズム睡眠障害の診断の困難なところは、その症状が生体リズムの乱れから起きているのかどうか判別しづらいことです。

夜遅くまで寝つけなくても、太陽が昇る前に目が覚めても、本人の感覚としたら「眠れなかった」というもの。いわゆる、不眠です。後退症候群の場合は、午後まで眠っていることもあるため、不眠ではなく、過眠なのではと思ってしまうこともあります。

また、生体リズムの乱れが原因にも拘わらず、遅刻したり、早退したりすることが多いと、性格や努力の問題にされがちなところがあります。内因性の場合は遺伝的になりやすい場合も多く、それを心構えや精神論で片付けられるのは不幸なことだと思います。

おそらく本人も、本当の原因に気づいていないことが多いのではないでしょうか。

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