WHOを攻撃することで中国を牽制する狙いがある

「なぜ、WHOの役割が重要なこの時期に資金拠出の停止を表明したのか」
「感染が収束傾向の中国は支援外交で影響力を強めている。WHOを攻撃することで中国をけん制する狙いがあるのは確かだろう」
「ただ、それ以上に選挙にらみの思惑が働いているようだ」
「米国の感染者は60万人に達し、死者数も2万人を超えた。ともに世界最悪の状態だ。主な責任がトランプ政権にあるのは明らかだ」
「トランプ氏は当初から『状況は管理できている』と楽観的な見方を繰り返し、十分な準備をせずに対応が後手に回った」

なるほど、トランプ氏に非があることは明らかだ。どの国の政治家も選挙となると目の色が変わる。選挙に負ければ、ただの人だからだ。

国内向けにアピールするトランプ流の選挙戦術

毎日社説はさらに主張する。

「11月の大統領選への影響を懸念し、WHOに責任転嫁して政権批判の矛先をそらす狙いがあるとするなら、あまりに身勝手な姿勢と言わざるを得ない」
「今回の停止は意のままにならない国際機関を威圧し、国内向けにアピールするトランプ流の選挙戦術ともいえよう。そうであれば、米国の信頼は低下するだけだ」

「身勝手な姿勢」「トランプ流の選挙戦術」と手厳しい批判である。新聞社の社説というものはこうでなくてはならない。アメリカの大統領は世界最大の権力を握っている。ときの権力と明確な距離を置き、おかしいところをおかしいと主張する。これが社説であり、そうした社説を社の利益に関係なく、はっきり書いていくのが、論説委員の仕事である。

最後に毎日社説は「今回の停止は意のままにならない国際機関を威圧し、国内向けにアピールするトランプ流の選挙戦術ともいえよう。そうであれば、米国の信頼は低下するだけだ」と指摘するが、まさにその通りだと思う。

世界のアメリカに対する信頼は崩れ、中国が取って代わろうとしている。中国はアメリカに次ぐ経済大国に成長した。しかし、隠蔽いんぺい体質で覆われた共産党一党支配の中国は産経社説でなくとも、沙鴎一歩も嫌いである。アメリカが中国に敗れるようなことはあってはならない。そうなる前にトランプ氏は、元凶の自国第一主義を捨て去るべきだ。

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