ほのぼの屋はなぜ人気店になったのか

「まぁ、結果的に全然ここの方が良かったんですけどね」

姫路まさのり『障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。ソーシャルファームという希望』(新潮社)
姫路まさのり『障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。ソーシャルファームという希望』(新潮社)

と、バタバタ劇を笑い話に付して、あっけらかんと西澤が答える通り、高台から日本海と街を見渡すこの景観は、今やほのぼの屋の大きな魅力の一つとなっている。

同じ轍を踏まないようにと、地域にある二つの自治会に対し、丹念に説明会を行うと同時に、住民を食事会に招くなど地域との折衝に時間を費やした。結果、反対の声こそあれど、幸いにも今度は多くの賛同を得る事ができた。

「あら美味しいやん」
「頑張って働いてや」

現在、ほのぼの屋を熱心に応援してくれる人の多くは、当初、猛烈な反対者だったのだと教えてくれた。声高に反対するという事は、それだけ町の事を熱心に案じている証拠でもある。だからこそ、しっかりと働く姿を見てもらい、内情を伝えれば、いつしか支援者にも変わりえる。そして、他の住人に美点を伝えてくれるスピーカーにもなってくれるのだ。

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