【Before】

図を拡大

(1)相手の判断に依存している印象を与えかねない。何かをなし遂げようとするならば、相手はパートナーという意識が必要だ。ともに何かをなし遂げようとする意志を表現したい。

(2)通り一遍の文句では、多くの企業へ同時に案内していると受け止められかねない。相手の最近の変化など、相手に興味を持っていると思わせるひとことがほしい。

(3)イメージがわきにくい。それによって受け手にどんなメリットがあるのか、より関心をひく具体像を提示したい。

(4)自分の都合しか考えていないと受け止められかねない。相手の「感情」「理解度」「性格」を斟酌して考えるべき。

【After】

図を拡大

(1)パートナーへの提案と思え…相手が気になるのは、どんな理由で自分に依頼したいのかという点だ。その理由を提示することで、真剣さが伝わる。

(2)相手に対する「アナリスト」になれ…相手のことを知らなければ、依頼内容のメリットを伝えきれない。相手が企業であれば各種ニュースやIR情報、提供しているサービスを徹底的に調べ、相手のことを理解していることが伝わるよう、さりげなく書面に落とし込む。

(3)メリットを明確に示す…笠原社長もヤフーへの情報提供を提案するにあたり、他の媒体との情報の重複率を算出して企画書に盛り込んだ。数字には説得力がある。

(4)決意表明で熱意を伝える…相手に依頼を受けていただいたら、自分はどれくらいの成果を出したいのか、決意を表明する。熱意は人を動かす原動力だ。また、依頼内容に詳しくなると、一人よがりな文章になってしまうことがある。文書を書き終えたら、いったん間をあけて、相手からみてわかりやすいか、失礼な表現はないか、再度読み返す。

(奥村勝之=撮影 宮内 健=構成 内林大士=事例作成)