コロナ対応を誤れば、都知事再選は困難に

小池氏は首都封鎖の危機さえも現実味を帯びてきた事態に対応できるだろうか。小池氏は衆院議員時代、首相補佐官(国家安全保障問題担当)、防衛相などを経験しており危機管理には自信を持っているようだ。しかし、今回の新型コロナ対応を見る限り心もとない。国民は、鈴木、吉村、仁坂の3氏らと比較して見るだろう。

感染者数が沈静化していけばいいが、ロックダウン(都市封鎖)というような事態に近づけば、新型コロナ対応で失敗した知事の烙印を押される。小池株は大暴落する。そうなれば、自民党都連の支援を得られたとしても都知事選の当選はおぼつかない。

過去の都知事選では、自民党の支援を受けて楽勝ムードの漂っていた候補が、告示直前に立候補した新顔に逆転された例は何度もある。これを「後出しじゃんけんの法則」という。

今回も、新型コロナ対応しだいでは、「後出しじゃんけん」に小池氏が足をすくわれるかもしれない。

「後出しじゃんけん」をうかがっている人物

最後に、「後出しじゃんけん」をうかがいながら小池氏に牙をむく人物がいることを指摘しておきたい。舛添要一前都知事だ。

舛添氏は「公私混同疑惑」などで批判され2016年6月に辞任。その後を襲ったのが小池氏だ。

今、舛添氏は小池氏に敵意むき出しで、出演番組やツイッターでは小池氏の新型コロナ対応のまずさを手厳しく批判している。

舛添氏は、野党側から都知事選出馬を目指しているという見方もある。4年前、国民から見放された舛添氏が今、復権するとはにわかに信じ難い。しかし国会議員時代は政界屈指の論客で知られた。彼が外野から小池氏を批判すれば、小池氏再選に向けた大逆風となることは確かだ。

(写真=時事通信フォト)
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