これから質を高める工夫のいくつかを紹介していきますが、その目的はすべて、いかに最初の睡眠を深くできるかということです。

「夜間のブルーライト」が悪いのではない

眠りに入るときは、脳も体も休息に入りやすいように、できるだけ脳への刺激を避けるようにすることが求められます。なぜなら、脳は刺激を受けると活動的になるからです。脳への刺激が自律神経に作用し、交感神経が活発になると、覚醒系のホルモンも分泌されやすくなるので体が休めなくなってしまうのです。

眠りに入るときは、副交感神経系が優位になるように、リラックスできる環境をつくるのが肝要だということです。

夜間のパソコンやスマホはブルーライトの光が悪いと言われますが、わたしは、光よりもパソコンを操作したり、スマホでゲームしたりしている行為そのものが睡眠には悪いと考えています。脳を過度に刺激し続けているのですから、脳がすぐに休めるわけがありません。

そこで、睡眠の質を高めようとするなら、自分なりにルールをつくることです。たとえば、夜10時以降はデジタル機器から離れるとか、寝る1時間前にはゲームを終了するとか、ルールをつくろうと思えばいくらでもできるでしょう。特に子どもには時間制限をするべきです。もちろん、子どもだけでは守れないでしょうから、親の管理が求められます。