※本稿は、『プレジデントFamily2020年春号』の特集記事の一部を再編集したものです。
第3次中学受験ブーム到来でわが子を中学受験させるべきか
小学生の子供を持つ親は、この時期、わが子を中学受験させるべきか悩んでいるかもしれない。筆者にもこの4月から新5年生になる娘がいて、中学受験をさせるべきか揺れている。
通常、中学受験をする子は新4年生(3年生2月)には進学塾に入ることが多い。わが家の場合、「公文の宿題すら満足にやれていないのに、進学塾の宿題などやれないだろう」とその時は見送ってしまったが、ここに来て、やはり中学受験をさせたほうが子供の将来につながるのではないかと悩みだしてしまった。
なぜなら、首都圏において中学受験が過熱しているからだ。
森上教育研究所によれば2020年2月1日の首都圏の受験者数は4万1308人(2020年2月13日修正値)。少子化にもかかわらず、第2次中学受験ブームと呼ばれた2007年の4万3716人に迫る勢いだ(図表1参照)。まさに第3次中学受験ブーム到来である。
都内の中高一貫校が相次いで「高校募集」を中止
その背景にあるもの。それは、大学入試改革の迷走により、わが子の大学受験の内容が不明になっていることに加え、大都市圏の私立大学に学生が集中する状況を改善するための「入学定員の厳格化」がある。
定員の厳格化は2016年に文科省が出した施策で、所定の枠を超えて学生を受け入れた大学は助成金がカットされる。定員8000人以上大規模私立大学では、2015年度以前は入学者が定員の1.2倍未満であれば助成金が交付されたが、16年度1.17倍、17年度1.14倍、18~19年度1.10倍と徐々に厳格化が進行してきた。
そのため、首都圏の人気大学に合格するのが非常に難しくなっている。「早いうちに手を打っておきたいと」と、大学付属の中高一貫校人気が高まっているのだ。
さらに、私立では豊島岡女子学園、本郷、公立では都立武蔵、都立富士などの中高一貫校が相次いで高校募集を中止すると発表した。高校受験の選択肢が狭まっている今、中学受験を選ぶのは賢明に思える――。
だが、わが子は本当に中学受験の勉強に耐えられるのか? いまから間に合うのだろうか? そうした不安や悩みを抱く親御さんのために、「プレジデントFamily」編集部では3月5日発売の2020年春号の特集「受験大混乱! わが子がトクする進路」内で、「将来輝く道が見つかるタイプ別進路マップ」というテーマで塾や学校の関係者を取材した。
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3月5日発売の『プレジデントFamily 2020春号』の特集は「受験大混乱! わが子がトクする進路」。本稿の詳細記事(子供のタイプによって小学校卒業後に『中学受験・高校受験・国際教育コース』のどのコースにすすべきかわかる進路診断チャートや、それぞれのメリット・デメリットなどを紹介)のほかにも、「名門校・校長20人アンケート 家庭学習『これだけでいい』アドバイス」や「ゼロからわかる入試改革の今後と対策法」「プロは知っている本当にお薦めの『中高一貫校』」など話題満載です。ぜひ、手に取ってご覧ください。