秀吉も逆境を這い上がる凄いパワーがあった

必ず人間は壁に突き当たります。そのときに苦労してきた人間は、それを受け入れ、乗り越えていく力があります。挫折の経験がなく苦労をしていない人間は、心が折れてしまいます。オーナー経営者は個性的で逆境に強い。秀吉も逆境を這い上がる凄いパワーがあったし、朝鮮へ出兵して明の制圧まで目標にするヤマっけもありました。わき目もふらず成果を目指した一直線な男であり、一方で冷酷な面もある人です。秀吉と同様に成功したオーナー経営者には、冷たいところと温かいところの両面を持つ人が多くいます。世の中を見る目も顕微鏡と望遠鏡、つまり、近くを見る目と遠くを見る目、繊細と大胆の両方を持ち合わせています。

さらに、秀吉は「人たらし」といわれているだけあって、人心の掌握術に長けており、褒め上手で任せ上手です。「企業は人なり」とよくいいますが、組織は人育てに始まり、人育ては続きます。人材なしには企業はもちません。秀吉は地べたから這い上がってきただけに、人の痛みがよくわかるのでしょう。人たらしといわれる人は、人をよく観察し、分析し続けているのです。

誰かの引き立てがなければ、いくら努力してもいっさい光り輝きません。秀吉も人に引き立てられることで出世したわけです。秀吉を見ていても人から引き立てられるには、「1つでも年上の人、年長者を敬う」「言われたことは素直に謙虚に受け入れる」「指示は誠実に実行する」「物事を損得で考えない」が大事なことだと思います。

私がぶれずに努力を続けられたのは、あんなふうになりたいと憧れる人が身近に多くおり、歴史上の人物では秀吉がいたことです。目指すものを明確にイメージできたからこそ、困難にあっても前へ進むことができたのです。

▼編集部おすすめの関連記事
40代課長に「なんでこんなやつが」という人材が多い根本原因
(構成=吉田茂人 写真=AFLO)