「いい学校」を出ても人生の幸福が約束されるわけではない。しかし就職で有利に働くことは間違いなさそうだ。「いい学校」を出れば「いい会社」に入れるのか。ひとつの示唆が、ここには表れている。

少数精鋭「一橋」「ICU」 お得な穴場?「東京海洋」

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「年収偏差値ランキング」50大学 
(※=国公立大学) 
東洋経済新報社「役員四季報データテキスト版<上場会社2009年版>」より。偏差値は代ゼミデータリサーチに準拠。

余計なお世話と言うなかれ。PRESIDENT誌は2008年春就職した全国641大学、6万8285人の就職先を調査したデータをもとに、各就職先の平均年収と“年収偏差値”を算出し、卒業後、本当に稼げる大学はどこかをはじき出した。

その“年収偏差値”で堂々のトップを飾ったのが、平均年収902万円の一橋大学だ。日本で初めてゼミナール制を導入したことで知られる一橋大は、今なお少数精鋭教育を実践。学部の垣根を越えて授業を履修できる幅の広さもある。

就職においては、かねてから銀行、保険業界にズバ抜けて強い。卒業生の同窓会組織「如水会」の存在も大きく、優良企業への就職率では抜きん出た存在として知られている。それが、このデータでも示されたということである。

続く2位は、東京大学。エリート中のエリートとしてその多くがキャリア官僚、大手企業の幹部候補生として就職が約束されている存在だ。最近は“現役東大生タレント”が何人も生まれ、ガリ勉一辺倒のイメージから抜け出している人も出てきている。まさに多士済々といえる。