新型コロナウイルスの感染拡大はいつになったら終息するのか。統計データ分析家の本川裕氏は「症状や感染の広がり方などが季節性インフルエンザに似ているという指摘がある。その前提でインフルの統計データを調べたところ、残念ながら『温暖地ではリスクが低い』とはいえなかった」という——。
地球上のさまざまな気候帯に新型コロナウイルスは感染している
画像=世界保健機関(WHO)ウェブサイトより
地球上のさまざまな気候帯に新型コロナウイルスは感染している

温暖な春・夏になったら新型コロナは終息するのか

新型コロナウイルスの感染リスクへの不安が高まっている。そのため、「どんな人」「どんな地域」でかかりやすく、また「死亡率はどれぐらいか」についてもデマや憶測が飛び交っている。

たとえば断片的なデータを見て、北海道で感染者が多い反面、沖縄で感染者が少ないので、「沖縄は暖かいからウイルスの活動が低下し、陽性が出にくいのではないか」という臆測が広まっている。ただし、感染症専門家の医師は、データが少ないため「新型コロナウイルスが温度に強いとも弱いとも言えない」と反論している(沖縄タイムス、3月1日)。

新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは、症状や感染の広がり方などに似ている点が多いと言われている(※1)。それを前提にすれば、インフルエンザのデータ、特に「どんな人」「どんな地域」で死亡者が多いのかというデータが参考になりそうだ(※2)

※1:ニューズウィーク 日本版「新型コロナ、類似ウイルスのSARSよりインフルに近い特徴」(2020年2月20日)
※2:編集部註=世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は3月3日の記者会見で、新型コロナウイルスは季節性インフルエンザより感染力は弱いが、重症化する患者はより多く、致死率は3.4%とインフルエンザより高いと指摘している。