やる気満々で机に向かうも、笑顔がなくなった小6の女の子

難関中学の合格をめざす小学6年生のある女の子は、とてもがんばり屋さんで、私の塾の夏期講習にも1日も休まず通ってくれました。

笑顔の可愛かわいいお子さんでしたが、夏休みの終わり頃から徐々にその笑顔が見られなくなっていったのです。

少し心配になった私は親御さんに連絡し、お家での様子を聞いてみました。

すると、「この夏は本当にやる気満々で、塾から帰ってからも机に向かっていて、本当に感心している」とうれしそうに話してくださるのです。塾では宿題は出していなかったので、それは彼女の自主的な学習です。彼女の場合は、それだけ追い込まれていることを示すサインではないかと私は感じました。

翌日、塾で彼女に声をかけて話を聞くと、「お母さんから夏休み明けのテストで偏差値60は取らなきゃダメだって言われてる。でも今のままだと絶対に無理だからもっとがんばらないとダメなんです」とうつむきながら話すのです。その目にはうっすら涙が浮かんでいました。

2週間の「完全休養」で見事に復活した

そこで私は親御さんにもう一度連絡し、私の考えを率直にお伝えしました。親御さんははじめはとてもとまどっていらっしゃいましたが、話しているうちに思い当たることもあったようで、最後は納得された様子でした。

翌日親御さんのほうから連絡があり、お子さんと相談をされた結果、2週間ほど受験勉強をお休みすることにしたそうです。ずっと全力でがんばってきた子が、この時期に2週間も休むのはかなり勇気がいったでしょうが、「ずっとがんばってきたからこそ、少しくらい休んでも大丈夫ですよ」と私も賛成しました。

そして、2週間後。再び塾に現れたそのお子さんは、前回会ったときとはうって変わり、明るい笑顔を取り戻していました。2週間の間、ゆっくりテレビを見たりお友達と遊んですごく楽しかったそうです。「そうしたらなんだかまた勉強したくなっちゃった」と笑っていました。

仮眠から目覚めてこちらを向く少女
写真=iStock.com/kiankhoon
※写真はイメージです

その後、そのお子さんは息切れすることなく、受験勉強をやり切りました。特に最後の踏ん張りは私も親御さんも目を見張るほどで、その結果、見事志望校にも合格したのです。

結果として見れば、夏の「あの2週間」は、彼女のエネルギーをチャージするのにやはり必要でした。