今回のアンケートで浮き彫りになった「就職分水嶺」である偏差値55を境に、キャンパスの雰囲気も大きく変わるというわけで、この指摘は興味深い。上場企業社員の意識と学生の意識が奇妙にシンクロしているのである。
もはや、偏差値による大学の二極化は明確だ。もちろん「最近は個性化教育の影響か三流大学にも光る人材はいる。そうした人材は偏差値に関係なく採用したい」(電機メーカー、採用担当者)という声もあるが、これは人気企業ではレアケース。基本的に今日の一流企業というのは、東大を頂点にした偏差値ピラミッドのなるべく頂点に近い大学の学生を求めているのであろう。
夢のない話だが、これが今回のアンケート調査から見てとれる最新の大学観。これが現実なら、「現役で三流大学に進学し、ダブルスクールで取得した資格を武器に上場企業に殴り込む」というような戦略よりも、浪人してもいいから就職分水嶺よりも偏差値の高い大学を目指したほうが、一流企業、ひいては“勝ち組”への道のりは近いようだ。とほほ。