「質バラつく三流大」厳しい人事の本音

以上、ふたつの結論を総合すると、結局のところ、上場企業、一流企業に就職するためには少なくとも偏差値55以上の大学を卒業している必要があり、さらに就職後も一流大学卒業者のほうが順調に昇格、昇給を重ねていく、という1つの現実が見えてくる。それを裏付けるように、ある中堅電気メーカーの採用担当者はこんなことを言う。

「採用は基本的に二流大学卒業者まで。三流大学の卒業生は人材の質にバラつきが激しく、採用する側としては安心感が持てない。その大学のトップクラスをひとりくらい押さえておけばいいか、ぐらいの気持ち」

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ちなみにこの担当者にとっての一流大学は東大、京大、一橋、早稲田、慶應、二流は明治、法政、青学、中央、同志社、立命館、三流は日大、駒澤、東洋、専修などで、ほぼアンケート調査と一致している。

やはり、法政、立命館アジア太平洋などの偏差値55前後の大学が、上場企業に就職できるかできないかの分水嶺になっているようである。

……こういう話をすると「いや、大学のランクと仕事の能力は必ずしも一致しない。企業はもっと人物本位の採用・査定をするべきだし、しているはずだ」という反論が出る。三流私大中退の筆者としても、ぜひそうあってほしい。だが、今日の企業のあり方を考えれば、学歴というもののウエートが根強く残っている可能性は否めない。