中国では、春節(旧暦の正月)前後の大型連休に合わせ、大勢の人が日本を訪れる。彼らが驚くのは観光スポットだけでなく、電車や住宅街の様子など日本人にとっては当たり前の「日常風景」にもあるという。ジャーナリストの中島恵氏が、中国と日本の生活の違いを紹介する――。
※本稿は、中島恵『中国人は見ている。』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。
約4億5000万人もの国民が国内外を旅行する
中国の大手旅行会社、シートリップの調査によると、今年の春節期間中、約4億5000万人もの中国人が国内外を旅行するといわれています。日本は今年(2020年)の春節を対象にした人気渡航先ランキングで第1位。ここ数日、中国人観光客の姿をよく見かける、という人が多いのではないでしょうか?
テレビでは相変わらずドラッグストアやショッピングセンターで買い物をする彼らの姿が報道されますが、リピーターになったり、長期滞在したりするようになると、表面的に見ただけではわからない、日本の細部に目がいくようになるようです。
そのひとつが電車。中国人に聞いてみると、日本の電車では、中国ではほとんど見かけない“感動シーン”が見られるというのです。
前回と前々回は、中国人にとっての色や数字の意味などについて紹介してきましたが、今回は拙著『中国人は見ている。』から、中国人が見た日本の“感動シーン”と“不思議シーン”をご紹介しましょう。