20世紀末まで、中国の科学技術は欧米日に大きく遅れていた。それが今世紀に入るや急速に発展し、いまや日本と肩を並べ、欧米にも肉薄してきた。ライフサイエンス振興財団の林幸秀理事長は「欧米日との間で人材の短期大量交流・育成を行ったのが最も大きい。中国国内だけで閉じていたのであれば、10~20年程度で日本に追いつくことはできなかった」と指摘する――。

論文「数」、特許「数」では日米を圧倒

中国の指導者は1949年の建国後、科学技術の振興を最重点に実施してきたが、政治・経済的な混乱が続き停滞していた。科学技術の本格的な歩みが始まったのは、文化大革命終了後の1990年代最後半であるが、経済的に貧しく研究費も微々たるもので、施設や装置は貧弱であった。20世紀末における中国の科学技術レベルは、欧米や日本と相当の距離があった。

中国の科学技術情勢が大きく好転するのは、21世紀になってからである。中国は、2010年に日本のGDPを追い抜いて世界第2位となった。経済の発展を受けて、科学技術も著しく進展している。2018年1月に発表された米国国立科学財団(NSF)のデータによれば、科学論文数の国別シェアは図表1の通りであり、なんと中国は米国を抜き去ってトップに立っている。

科学論文数の世界シェア(2016年)

特許においても、今や中国は世界の先頭を走っている。図表2は、特許出願数を出願者の国籍別に合計したものである。2000年代には日米がトップ争いをしていたが、現在は中国が1位で米国や日本の2倍から3倍に達している。

特許出願数の世界ランキング(2016年)