「一本締め」や「七五三」の文化が不思議

私の中国人の友人はいいます。

中島恵『中国人は見ている。』(日本経済新聞出版社)

「来日してから、宴席で『一本締め』や『三本締め』をしたり、子どもの『七五三』を祝ったりするのを見て、不思議に思いました。中国で日本語を勉強していたときには、こういうことは習いませんでした。でも、『一本締め』の意味を聞いても、日本人も知らないことが多いですね(笑)」

日本と中国は同じ漢字を使う民族同士であり、お互いに顔も似ているので、文化も「似ている」と思い込んでしまうところがあります。しかし、よく見たり、聞いたりしてみると、同じところもあれば、違うところもあります。

経済発展を続ける中国は、街並みも、人も、10年前とは様変わりしました。しかし、ここで紹介したように、ずっと変わらないこともある。日本人の常識が中国人の常識ではないように、中国人の常識は日本人の常識ではありません。

数字ひとつとっても、日中には違いがあることがこんなエピソードからも明らかになり、文化の違いのおもしろさを感じさせてくれます。

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