保存期間経過後も文書を廃棄する義務はない

民間に適用される個人情報保護法には、保有する必要のなくなった個人情報は、速やかに消去する努力義務が定められた。しかし行政機関に適用される行政機関個人情報保護法では、行政機関にそのような努力義務は課さなかった。

つまり、民間の場合には情報漏洩のことも考えて、必要のない情報は消去すべきだという要請が働くのに対し、行政機関の方では、そのような消去の要請は働かない。

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ただし、紙の情報は保管場所が必要になる。もちろん行政が金をかけて特大級の保存館(管理館)を作ればいいという考えもある。僕はそのような立場だ。僕はしょうもないハコモノ施設や災害対策名目の過大な公共工事に莫大なお金をかけるくらいなら、超特大級の公文書管理(保存)館を建設することの方が、よほど日本のためになると思っている。

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だいたい保存期間というのは、その期間が経過したら直ちに消去しろという意味で定められているわけではない。保存期間経過後は劣化したり紛失したりしても責任を問わないという意味だけで、保存期間経過後も劣化や紛失がない限りずっと保存されることが本来の姿だ。

日本政府も、公文書管理のやり方について、このようにその思想を抜本的に改め、「原則すべて保存する」ということにすべきだ。ただし紙の書類については、保管場所のことを考えて、メモや軽微な書類については、一定の保存期間経過後、廃棄することも可能とする。また保存期間経過後は紛失したとしても責任を問わないという免責を与えるだけで、わざわざ廃棄する義務まで課さない。

それ以外の記録・情報は、すべて保存。保管場所やその後の検索のことを考えれば、これから情報は全て電子データ化すべきである。そして電子データには保管場所のことを考える必要はないので保存期間などを定める必要はない。そうすれば、保存期間経過後わざわざ電子データを消去するという無駄な作業も発生しない。

これくらいの大きな方針転換を打ち出すべきだ。

このようなルールや職員意識が徹底すれば、「桜を見る会」が終了したからといって、せっせせっせと招待者名簿を廃棄する作業をやることはなくなるし、仮にルールに基づいて廃棄作業に入ったとしても、野党から資料提出要求があれば、廃棄作業はストップすることになるだろう。

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