鉄板ネタでも「うちのバカ息子が~」は言わない

私が親御さんにお子さんのことを褒めると、「いえいえ、うちの子は本当にダメで」と謙遜する方が多くいます。日本にとって謙遜の文化は必要なものとして機能してきました。しかし、それを理解するためには、日本で育つ、外国に滞在していたとしても日本文化の中で育った親の元で育つなど、親和性がある程度なければなりません。それがない子どもにとっては、親が「うちの子は本当にバカで」「全く運動神経がなくて」などと他の人に話しているのを横で聞いていたら、自分はけなされていると思い傷ついてしまいます。

柳沢幸雄『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』(実務教育出版)

お母さん方にとって、どうやら「ダメな息子」というのは鉄板ネタで、それだけでママ会が盛り上がるそうです。しかし、これを息子に聞かれてはいけません。少なくとも、息子が謙遜の文化をしっかりと理解できる年齢になるまでは、言わないのが懸命です。なぜなら、せっかく育てた自己肯定感が、何気ない一言で失われてしまうことがあるからです。

同じような理由から、旦那様の悪口もお子さんの前で言わないほうがいいでしょう。息子にとって、父親は一番のロールモデルです。それを否定されると、子どもはロールモデルを失ってしまいます。子どもが大きくなってくると、何気なく大人の会話をしてしまうものですが、やはり子どもの世界と大人の世界は、完全に切り離して考えるほうがいいのです。

【関連記事】
「教育熱心な親の子」が4年生で潰れる根本原因
子供が見違える「短い声かけフレーズ10」
アメリカ人に「グッジョブ!」と言うと怒られる
モンスター親をふるい落とす名門校の質問
ファーストクラスの女性は何が一番違うか