お互い気持ち良くコミュニケーションを取るには、相手が自由に答えやすい質問を心がけることをおすすめします。先ほどの場合であれば、「トレーニング(合宿)はどうだった?」とシンプルに聞けば、相手が自由に話すことができます。良くない結果もオープンに伝えやすくなるはずです。
私たちはつい「プレゼン、うまくいった?」「契約、取れた?」などのように、結果をたずねる質問をしてしまいがちです。相手に二択で答えさせる質問を、コーチング用語で「クローズドクエスチョン」と言います。この質問は、二択なのでYES/NOで答えやすい反面、質問によっては相手にプレッシャーを与える可能性があります。
ところが、「プレゼン、どうだった?」のように、問いかけ方を切り替えるだけで、相手が一気に答えやすくなります。この問いかけ方を、同じくコーチング用語で「オープンクエスチョン」と言います。相手の心理的負担を少なくしたいときは、このオープンクエスチョンを使って問いかけるのが有効。コミュニケーションが円滑に進みやすくなります。
思い込みに気づかせる、ある少女の話
人は、思っている以上に思い込みを持ちやすい生き物だということを知ってもらうために、読んでほしい話があります。ある少女の話です。
その少女は雨が降ると、外に出ていました。一度ではありません。雨が降るたび、何度も外に出ていました。そして、そのたびにずぶ濡れになっているのです。どうしてこの少女は、雨が降るたびにわざわざ外に出るのでしょうか。
「雨が好きなのかな」「自分を雨の妖精だと思っているからに違いない」「雨の中で遊ぶのが楽しいからだろう」など、きっといろいろな答えが出てくると思います。しかし、いずれも違います。