この企業の思いは社員にも伝わっているようだ。及川さんが語る。
「私はグーグルの社員は全員がプロフェッショナルであると考えています。会社に依存したり、一方的な奉仕を受けたりという関係には抵抗がありますが、プロである社員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮するための環境を整えてくれることに対しては、会社の信頼を感じます。その信頼に応えたいと思う」
グーグルのシリコンバレースタイルの食堂には、日本のIT企業も影響を受けている。ユニークなのが京都に本社があるはてな。はてなダイアリーやはてなブックマークなどのインターネット上のサービスを提供している企業だ。社員数が少なかったころ、社員に食事を提供するため創業者の夫人がまかない料理を始めたという。オフィスの炊飯器でご飯を炊いて、大きなテーブルを囲んで昼食をとる様子は文字通り“同じ釜の飯”。シリコンバレースタイルを小規模化し和風テイストを盛り込んだかたちで、若い男性エンジニアなど人材確保の強力な武器になっているという。
(Kuma*=撮影)