ニュースサイトのコメント欄には、批判や悪口がたくさん投稿されている。なぜそんなことになるのか。精神科医で禅僧の川野泰周氏は「他者を攻撃している間は自分の嫌な部分に目を向けなくてすむ。実生活でストレスを溜め込んでいるのでしょう。スマホを見る時間を意識的に短くしたほうがいい」という――。

※本稿は、川野泰周『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

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「悪口」「批判」の原因は、あなたが溜め込んだストレス

ネット記事やテレビでニュースを見ていて、つい批判的な気持ちになることはありませんか?

「あの政治家、また口ばっかりで何にも行動してない!」
「あんな事故を起こしたのに、どうして逮捕されないの?」
「この人は正論を言っているけど、現実はもっと厳しいのが分かっていない!」

もちろん、人によって同じ物事に対して様々な見解を持つのは自然なことです。ところが、中には実際にコメント欄に感情をむき出しにしたような言葉を書き込んだり、SNSで痛烈に批判したりする人も。

こうした、ネット上で批判的なメッセージを発信する人に多く見られるのが、実生活ではストレスを自分の中に溜め込んでしまうという傾向です。

「どうして家事を手伝ってくれないの?」
「上司だって、あんな言い方しなくてもいいのに」
「後輩がこんな大きなミスをしているのに、全然反省していない!」

怒りや批判、悲しい気持ちが湧き上がっても、黙って仕事をこなしている。元気なときは楽しいことを考えたり、テンションを高めに保ったりして、愚痴や批判的な気持ちから目をそらすことができますが、疲れが蓄積してくると心の中が愚痴や批判的感情に支配されてしまうのです。