無申告は記者会見での謝罪で済ませられるものではない

昨今、誰かが何かのきっかけでやり玉に挙げられると、追い打ちをかけるように、SNSに書き込みがなされる。書いている人は全員聖人君主かというと、そうではないだろう。誰しもたたけばほこりが出るのではないのか。

今回の徳井さんの件は、法律で裁けるものなら、裁いてもらった方が世間の留飲が下がってよかったのかなと思う。いつまで自粛すれば世間は許してくれるのだろか。

女性関係が原因で活動を自粛していたあるタレントは、大御所にそのことをいじられ、以降それをネタにして、仕事を再開させているという例がある。タレントではないが覚醒剤で逮捕されたが、ダルクで覚醒剤を断とうとしている人たちのための活動をしている人もいる。

納税の義務は、日本人、誰もが守るべき憲法にうたわれている。その納税を怠ったことと、私的に女性問題で休養していたことを同レベルで議論してはいけないだろうとは思う。また、覚醒剤の使用も、個人的な問題であり、直接、他人に迷惑をかけているわけではない。

重ねて言うが、納税は小学生でも知っている日本国民の三大義務の一つなのだ。だからこそ、会社を設立してからずっと期限内に申告をせず、納税を怠ったことについて、しおらしい顔をして記者会見で謝罪することで済ませられることではないと思うのだ。

いっそのこと吉本興業は国税庁のPRを受注したらどうか

11月11日から11月17日までの一週間は「税を考える週間」である。国税庁は国民に税についてもっと関心を持ってもらおうという趣旨でさまざまなイベントを開催している。毎年、多くの予算をつけて開催しているイベントが本当に税について考えるきっかけになっているのかというと、必ずしもそうではないように思う。

筆者は、ここで、無謀な提案をしたい。

国税庁はポスターや映像などを通じて、広報活動に尽力している。

しかし、そんなありきたりな広報活動では、適正・公平な課税の実現を目指すことは難しいのではないか。

最近は、テレビを見ない人が増えているようだが、「しくじり先生」なる番組がある。一世を風靡ふうびしたタレントが一転しどん底を体験し、その失敗談に学ぶというものである。「人のふり見てわがふり直せ」ということわざがあるが、そういう学び方がある意味、有効であると思える番組だ。

売れっ子タレントの闇営業や納税逃れが、次々に発覚したことで、吉本興業は所属タレントの教育をやり直さなければならないと発表した。何をどこまでやるつもりなのだろうか。

そこで、いっそ、吉本興業が国税庁の広報PRを受注するというのは、どうだろうか。