行政の役割を見直して再配置する必要がある
これを抜本的に見直すことが不可欠だろう。災害に備えてもっと公務員を増やすべきだというならば、その分の負担が増えること、つまり税金が増えることを受け入れなければならない。あるいは、税負担をこれ以上増やすのは難しいとしたら、公務員の増加は諦めるしかない。
あるいは、行政の役割を徹底的に見直して、必要な分野に再配置することが不可欠だろう。公務員もこれまでの仕事の仕方を見直し、不要な会議の時間を減らして、本当に求められているサービス業務にシフトすることが必要だ。本来の意味の「働き方改革」である。
公務員が多いか少ないかは、単純な国際比較で答えが出る話ではない。国土の広さや人口密度、気象環境はもちろん、住民が国や地方の政府に何を求めるかで変わってくる。
官僚主導で国が財政支出をして経済を成長させてきた高度経済成長期が終わり、バブルの生成と崩壊を経て、人口減少社会へと突入した日本で、公務員の役割が大きく変わっていることは間違いない。一度奉職したら定年まで身分が保証される公務員のあり方を、抜本的に見直す必要があることだけは事実だろう。