「民間の給与が上がっているから」という大義名分
またしても公務員の給与が引き上げられることが決まった。政府は10月11日に閣議を開いて、2019年度の国家公務員一般職の月給とボーナスを増額する給与法改正案を閣議決定した。8月の人事院勧告を受け入れ、月給を平均387円、ボーナスを0.05カ月分それぞれ増やす。公務員給与の増額は6年連続だ。
対象は国家公務員27万7000人だが、人事院勧告に沿って改定される地方公務員も含めると約330万人に影響する。財務省などの試算によると、引上げによって2019年度には国家公務員で約350億円、地方公務員で約680億円人件費が増えることになる。
人事院勧告は毎年8月に出されるが、目的は民間と国家公務員の給与水準を合わせること。スト権などが制限されている公務員自身が給与の増額を要求する術がないので、代わって人事院が民間並みを確保するよう給与改定額を決定、政府に対して「勧告」する仕組みになっている。第2次以降の安倍内閣ではこの勧告をほぼ完全に受け入れてきた。
つまり、公務員給与が増えるのは、民間の給与が上がっているから、というのが大義名分なのだが、本当だろうか。