定年廃止、能力主義の人材配置が必要
与党である自民党ですら改革を求めている霞が関の人事制度だが、政府や霞が関はまったく耳を貸そうとしないのが現状だ。年功序列の給与制度は、一定以上の勤続年数がたち、ポストに就くようになると、一気に待遇が改善される。
霞が関で課長になれば1100万円から1400万円、局長級は1800万円から2000万円、事務次官ともなると2500万円から3000万円になるとされる。「公務員の給与は安い」と一般的に信じられているのは、現業職の現場や課長補佐以下の職員の給与である。今回の給与法改正は一般職の給与改定だが、幹部の給与もこれに連動して引き上げられることになる。
さらに、公務員の定年の引き上げもほぼ固まっている。現在60歳の定年を、段階的に65歳まで延長する方針だ。民間企業の場合、60歳の定年を機に再雇用となり、給与水準が大幅に引き下げられるのが一般的だが、公務員は60歳からはそれまでの7割程度とするとされている。「民間並み」などどこ吹く風なのだ。
定年が引き上げられ、高齢職員がポストに居座り続けることになれば、ますます若手に重要なポストは回ってこない。課長になるのが遅くなれば、当然、若手の給与は低いまま放置される。
いっその事、欧米のように定年自体を廃止してはどうか。そのうえで、年齢や勤続年数に関係のない能力主義の人材配置を行う。そうなれば若手の抜擢も可能になり、有能な人材を霞が関に集めることができるだろう。