DeNAの時価総額は約3000億円。創業者の南場智子氏は、世界でもっとも成功した女性起業家の1人だ。ただ、ここまでの道のりは苦難の連続。それでも挑戦はやめない。2019年7月には100億円規模の起業家支援ファンド「デライト・ベンチャーズ」を立ち上げた。はたして、日本からGAFA級のベンチャーは生まれるのか。田原総一朗が迫った!
始まりは、父親からの逃走だった
【田原】今日お会いできるのを楽しみにしてきました。会う人が皆、「南場さんはおもしろい!」って言うからね。さっそくですが、これまでの歩みを教えてください。過去のインタビューを読むとお父様が厳しい方だったそうですね。どんなご職業だったんですか?
【南場】地元の新潟で、それなりの規模がある中小企業の雇われ経営者をしていました。会社優先で家にほとんどいなかったですね。平日の夜は麻雀で、土日はゴルフをしていましたね。
【田原】大学は津田塾大学ですね。
【南場】親は地元の新潟大学に行ってほしかったようです。でも私は新潟を離れたかった。都心から離れて寮のある女子大なら親も出してくれるというので、津田塾大学に入学しました。
【田原】4年生のときに、米国のブリンマー大学に留学される。
【南場】東京の大学に来ていても、なんとなく親に見張られている感覚があったんです。父は英語がいっさい喋れないので、米国まで行けば絶対に追いかけてこられない。そう思って留学しました。実際、渡米して初めて自由になれた気がしました。