リアル店舗は消費者の嗜好を捉えているか

もうひとつの具体的な事実は、リアルの「売り場」が遠いものでも、ネットではユーザー行動が異なるということです。

ドラッグストアで販売されているスカルプD(男性には育毛剤のイメージが強いかもしれません)のまつげ美容液は、百貨店で扱われる高級ブランドであるADDICTION(アディクション)やLUNASOL(ルナソル)といったアイシャドウの一緒に購入されていることがわかっています。これらはリアルの店であれば売り場は異なってしまいますが、女性の興味関心としてまつげとアイシャドウは近い領域なのです。

実際、デパートでコスメを購入した女性が、その後ドラッグストアに立ち寄って別のコスメを買うことは珍しくないでしょう。店舗をまたがったユーザー行動といった、従来見えづらくなっていた比較検討の実態が、我々のプロダクト上では事実として浮かび上がってきているのです。

消費者の心の動きをつかめば、商品開発と売り方が変わる

こうしたノイン上で得られるデータは、我々だけで活用するのではなく、ビジネスパートナーであるメーカーに提供し、広告宣伝活動や商品開発に活かしてほしいと考えています。

自分たちの商品がどのようにして購入されているのか、どんな商品と一緒に使われる確率が高いのか。そんなお客さまのリアルを知ることで、たとえば、あるセグメントで人気の商品とセットで購入する商品を開発することができます。あるいは、消費者にどう商品を訴求していけば人気が出るか、マーケティング戦略を決める材料になります。

ノインは、コスメブランドに「データ」という武器を届けることで、「無理ゲー」に思えるコスメ業界でのマーケティング強化に貢献していきたいと考えています。

【関連記事】
「すべてデパート」の医師妻が我慢を始めたワケ
消費税増税で確実にトクする買い物の仕方2つ
ユニクロにあって無印良品にない決定的な要素
ファーストクラスの女性は何が一番違うか
ユニクロはなぜ「ユニバレ」を死語にできたのか