「骨格」は麻生氏78歳、菅氏70歳。二階氏80歳
安倍氏が手掛ける人事は「2層構造」だ。主要なポストは実力者を配し、その多くは留任させる。麻生氏、菅義偉官房長官、二階俊博幹事長らが、それにあたる。麻生、菅の両氏は12年に安倍氏が首相に返り咲いてから7年近くの間、同じポストについている。二階氏の在職日数は1000日を超え、今年8月には連続在職日数が歴代最長になった。年齢は麻生氏が78歳、菅氏は70歳。二階氏は80歳だ。
今回の人事でも麻生、菅氏の留任は内定。二階氏の留任も固まった。さらに岸田文雄政調会長の留任も有力となっている。政権が安定している時に新しい血を入れるというのが人事の常道だろうが、あまりに長期政権となったことで、骨格をいじって政権のバランスを崩してしまう危険が出ているのだ。
一方、官房、財務、党幹事長、政調会長などの中核ポスト以外は大幅に入れ替えることになりそうだ。これらのポストには初入閣組が大量に押し込まれる。
3回以上当選した「入閣候補」が70人に
安倍氏は昨年10月、内閣改造を行ったが、その時も中核ポストは実力者が続投させる一方で12人が初入閣した。この時の人事については既報の「『右寄りのお友達』で固めた安倍内閣の真意」「問題閣僚が続出も安倍首相が動じないワケ」に詳しいのでご参照いただきたい。
安倍氏は、今回の人事での昨年の手法を踏襲する。
12年の衆院選で勝って政権に返り咲いて以降、自民党は14年、17年と衆院選を勝利。13、16、そして今年の参院選でも勝った。「勝つ」とは、議員の当選回数が増えることを意味する。今の自民党は、自薦、他薦を含めた入閣候補者が大量発生している。一般的に衆院なら5回、参院なら3回以上当選した議員が「入閣候補」と言われる。その人数は今、70人に達する。