要するに3分解した民進党勢力が再結集をするという話
3会派が合流すれば、衆院での議員数は117人となり、2012年に安倍氏が首相に返り咲いて以来、野党の塊としては最大のものになる。一定のインパクトはある。ただし国民の目には「失敗への道をもう一度歩もうとしているだけだ」とも映る。要するに3分解した民進党勢力が再結集をするという話なのだ。
立憲民主と国民民主は原発政策、憲法などを巡り温度差がある。今回の会派合流は、それぞれの違いをある程度理解した上で、目をつぶって手を結ぶことになる。「大人の対応」ということもできる。ただし、そのことは主要政策でばらつきが大きく「何も決められない」と批判を受けた民主党政権時代を思い出させる。安倍氏ならずとも「悪夢のよう」だと思う国民も少なくないだろう。
通常ならば新しい党や会派ができると国民の支持は、上がる。本当に期待しているかどうかはさておいて、新しもの好きの国民による「ご祝儀相場」が期待できるのだ。しかし、今回はご祝儀相場は期待できないだろう。新会派は国民にとって新しいものではなく、失敗した「古いもの」が再結集しているだけだからだ。
「れいわ」の山本氏を取り込むしかないが……
民主党政権時代を知る永田町関係者は自嘲気味に語る。
「ご祝儀相場ではなくて、今回は不祝儀相場なのかもしれない。それでも今、できることはこれぐらいなのだよ」
会派合流後、立憲民主、国民民主などは新党結成など新たなステップを模索することになるだろう。その時、かつての民主党とは違うものに見えるようにするのが最重要課題だ。
民主党を超えた存在に見せるためには、参院選でブームを起こした「れいわ」の山本氏を取り込むしかないのではないか。それを可能にするには山本氏らが、立憲民主、国民民主らの会派に魅力を感じることが必須だ。先に紹介した共同通信社の調査結果を見るまでもなく、その道は険しい。