沸騰する香港の灯を消してはならない

小川仁志『公共性主義とは何か』(教育評論社)

丸山は、日本社会における現状を維持しようとする態度を「である」と表現し、それに対して、現状を変えようとする積極的な態度を「する」と表現した。その意味で、公共性主義の名のもとに私がやろうとしているのは、哲学の革命であるともいえる。

おそらくかつての哲学者たちにとって、今起こっているデモを称賛することなどありえなかっただろう。近代ドイツの偉大な哲学者ヘーゲルが喝破したように、哲学は事態が収束してからようやく飛び立つミネルヴァのフクロウであるべきだからだ。しかし、私の考えは多少異なる。哲学は今起こっていることに拍車をかける勇気、エネルギーであってもいいはずだ。

だからデモを積極的に支持したいと思う。そこに問題がある限り、民衆が不満を抱いている限り、私たちは行動を起こさねばならないのだ。

今一度繰り返そう。沸騰する香港の灯を消してはならない。

(撮影=的野弘路)
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