▼趣味を披露

教養ある? ない? 差がつく3ポイント

教養を身につけろ、とはよくいわれますが、まずは教養という言葉の定義を考える必要があります。教養とは文字通り、「教えで人格が養われている」ということではないでしょうか。これに対し、「自分にはこんなに教養があるぞ」と他人に自慢したい人たちを、私は“マウンティングゴリラ”と呼んでいます。教養を口にする人の多くが、「私は優秀だぞ」とアピールしたい、マウンティングゴリラになってしまっています。そもそも他人より優位にあることを見せつけるための教養は、人格を養えていないという点で、すでに自己矛盾を起こしていますよね。

「スキューバが大好き。何をやってるときに、自分が心の中で幸せになれるのかっていうことを知る。それが教養の定義なら、趣味も教養に結びつくのかなって気がしますね」(キム氏)※写真はイメージです。(PIXTA=写真)

いろんな国で優れたビジネスリーダーを見てきた中で、教養がある人とない人の差を考えてみました。いろいろありますが、3つ選ぶとするならばまず視野の広さ、次に承認欲求を満たすことに縛られない、確固たる価値観の有無、そして人間の本質に対する理解の3点です。そしてこれらは、どのような趣味を持つかに密接にかかわってきます。

まず、視野が広い人は自分と他人の「内集団バイアス(後述)」を理解しており、謙虚です。逆に視野が狭いまま集めた情報で価値観が形作られてしまうと、たとえば読書が趣味だと強弁しても、知識をひけらかすためのツマミ食いばかりであったり、似た者どうしで偏った本ばかり読んで他の集団を貶め、「オレたちって凄い」というグルーヴ感にひたる「内集団バイアス」に支配されている人が、残念ながら非常に多いですね。これでは、本を読むほど視野が狭く、無教養になります。

この点、視野を広げ教養を深める手段は現在、無料でいくらでもあります。私の趣味はスマホでアクセスできる世界中のコンテンツを、YouTubeなどで1日2時間程度、散歩時間などに視聴することです。世界の多様な分野のリーダーたちのスピーチやトーク番組が好きです。英語と中国語のコンテンツは視聴者数がものすごく多いから、内容も超多様ですよ。韓国語と日本語の両方のニュースを聞くのも、両国の視点で懸案事項を学べるので視野が広がります。外国語が苦手な方でも、今ではグーグル翻訳でかなりの精度で読めるので、「視野を広げる趣味」を持ちやすくなっています。