「PDCAサイクル」に代わるフレームワークとは
年度初めという時期が影響しているのか、4月は「働き方」に関する本がいつも以上に多く上位にランクインしました。
第3位の『OODA LOOP(ウーダループ)』は、「PDCAサイクル」に取って代わると期待されているフレームワーク。もともとは軍事戦略に用いられた意思決定理論をビジネスパーソン向けにアレンジしたもので、個人レベルでも組織レベルでも実践できるようになっています。
スピードを重視する「電撃戦」の有効性を指摘し、「外部の世界で起こっている、目まぐるしい環境変化に即座に対応し、自らの方向性や、進むべき道を変化させることができる能力」(=アジリティ)を重視する本書は、まさに大きな変化に直面している現代社会だからこそ読むべき一冊といえるのではないでしょうか。
実績に結び付く「管理ゼロ」は実現できるのか
また制度面での「働き方」に焦点を当てた本としては、第4位『働き方改革』と第10位『管理ゼロで成果はあがる』にも注目です。
『働き方改革』は、ワーク・ライフバランス代表取締役社長である小室淑恵氏の、「働き方改革コンサルティング」の集大成ともいえる一冊。いま日本では「働き方改革」の実現が目指されていますが、「働き方改革」がなかなかうまくいっていないという企業も多いはず。本書は「働き方改革」がなぜ必要なのかというところから、具体的にアクションとして落とし込むところまでしっかりカバーしており、すぐにでも実践できるようになっています。「強制退社時間の設定」など、絶対にやってはいけないことも書かれており、「令和の時代の働き方」を築いていくうえで、ぜひチェックいただきたい内容になっています。
また『働き方改革』がマクロな視点で書かれているとしたら、『管理ゼロで成果はあがる』はよりミクロな視点から、働き方改革の実際について書かれた本といえるでしょう。著者の倉貫義人氏が代表を務めるソニックガーデンは、システム開発を担うエンジニア集団です。社員全員がフルタイム勤務で新卒採用も行っていますが、管理職も部署も評価もなく、売上目標すらありません。それが生産的だというのだから驚きです。ただの放任主義に陥らず、しっかり実績に結び付く「管理ゼロ」を実現するためにはどうすればいいのか。業種に関係なく、会社の生産性を高めるうえでのヒントが見つかる一冊です。