「緊急度が高くてやりたい度も高い」仕事から始める

では、リスト作成の具体的な方法をお教えしましょう。まず、「①A社に提出する企画書を作る←今日の夕方がリミットだから絶対やる必要あり。競合企業とのコンペなのでプレッシャーが大きいが、とれたら大きな仕事になる ②経費精算←3カ月過ぎていて、早く出さないと締め切ると経理から怒られ続けている ③部会議←長引きそう。発言を強いられるし、面倒くさい……」といったように、やること(内容)と、それに対して抱えている気持ちも書き出します。

次に、この内容に優先順位を付けます。縦軸を「緊急度」、横軸を「やりたい度」として度合の高い低いに分けた4つのまとまりを作り、書き出した内容を振り分けていきます。例えば、先ほどの①なら「緊急度が高くてやりたい度も高い」、②なら「緊急度が高くてやりたい度が低い」枠に入れていきます(図参照)。

出来上がったら、あとは実行に移すのみです。普通は緊急度の高いものから始めますが、やる気を持続させるためには、「緊急度が高くてやりたい度も高い」「緊急度は低いがやりたい度が高い」「緊急度が高くてやりたい度は低い」「緊急度もやりたい度も低い」の順で行います。終わらないものがあっても、翌日に同じように優先順位を付けていけば、おのずと緊急度が上がってやらなければならなくなります。焦らず1つずつ終わらせていきましょう。

篠原菊紀
公立諏訪東京理科大学教授
脳科学者。遊び中、運動中、学習中などの脳活動を調べ、脳トレへの活用や依存症の予防などを研究する。著書に『「すぐにやる脳」に変わる37の習慣』ほか多数。
 
(構成=干川美奈子 撮影=葛西亜理沙 編集=高嶋ちほ子、干川美奈子 写真=iStock.com)
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