皇族は何を言われても名誉棄損訴訟などできない
次はリベラル論者の香山リカ。皇族のプライバシーを尊重すべきだと語る。
「知りたいと思う国民と、あまりにも踏み込まれすぎる皇族方。やはりある程度、プライバシーや本人の意思が尊重されなければいけないだろう。皇族は何を言われても名誉棄損訴訟などできない。そこを見越した上で言いたい放題になり、憶測を呼ぶ状況に陥ってしまう。皇族方もご本人たちの意思を自分たちの言葉で発信してもいいのではないか」
その上で、小室母子への過剰なバッシングへ異を唱える。
「報道が小室さんバッシングに偏り過ぎではないかと懸念している。週刊誌は毎週のように大きく報じている。需要があるからなのだろうが、まだ一般の市民であるのにここまで踏み込んでいいのかと不思議だ。小室家の金銭問題だけにとどまらず、小室さんの人となりが掘り下げられ、だから結婚相手にふさわしくないという図式ができ上がっている。人間誰しも遡れば、少しくらい脛に傷があるもの。一私人の人間性についてここまで騒ぐことには、納得がいかない」
身分に縛られず、お互いの自由恋愛を前提にしてきた
皇室史専門家の小田部雄次は、過剰報道は不安の表れではないかという。
「現在、秋篠宮さまの長女眞子さまの結婚問題が話題だ。平成の天皇の結婚以後、皇族の結婚は旧来の身分に縛られず、かつお互いの自由恋愛を前提にした流れにある。また皇室の女子の結婚では相手の適否について皇室会議を経る必要はない。法律上も慣行上も問題はないが、眞子さまのお相手に対する国民の目は厳しい。お相手が母親の金銭問題や、安定した職についていないことなどが理由のようだ。
(中略)
なぜ騒ぎになるのか。恐らくは、女性天皇、女性宮家の賛意が高まり、眞子さまが結婚後も皇族として皇室にとどまるかもしれないという国民の期待があるからだ。逆に言えば、女性天皇や女性宮家が実現する前に眞子さまが皇籍を離脱したり、離脱しなければお相手が将来の女性天皇の伴侶になったりすることへの不安でもある」
「自分の人生だから結婚する」という可能性は残る
山下晋司は元宮内庁職員だから、やはり小室母子に厳しい見方をしている。
「日本人が持っている世界観の最大公約数的なものから、小室さん母子はややずれているのではないか。そのため、行動を理解できない。そういう人と皇族の結婚はふさわしくない、と考える方がたくさんいるのは事実だ。
ただ法的には、眞子内親王殿下の結婚はご本人の意思により可能だ。皇族としての立場、皇族だった者としての立場をどうお考えになるか。プライベートな部分を重視されるのであれば、皇族として好ましくないと批判されても、自分の人生だから結婚する、とされる可能性は残っている」