細かな「数字取り」で売れている証拠を残す

一方、バラエティショップやドラッグストアでは、「目ざまシート」の隣に後発品や類似品が並んでいる。サボラボでは、ブランド価値をキープするため複数の施策を打ち出しているそうだ。

そのうちの一つが「数字取り」。企画部はデータ分析、マーケティング部員は累計枚数、宣伝部員はベストコスメ賞というように、各部署が得意分野で数値をカウントし、売れている証拠を残していく。サボラボという名称とは裏腹に、面倒な数値の計測をサボらない真面目な姿勢が、右肩上がりの売り上げにつながっている。

それに加えて、テレビや雑誌、ウェブ媒体などを使った「空中戦」と、リアル店舗やイベントで行う「地上戦」に力を入れ、双方で攻めの姿勢を崩さない。御殿谷氏は「片方のみではブランドを守りきれない。メンバーが5人から8人に増えても情報共有を欠かさずに行っている」と語った。

2019年3月に発売予定の「サボリーノおはようサンカット UVスプレー〈日やけ止めスプレー〉」では、中国で活躍する一流モデルをキービジュアルに起用する。桁違いの拡散力を持つ中国人モデルによって、シリーズの売り上げはさらに伸びそうだ。堅調に地盤を固め、国内外で着実に実績を積むことで、さらなる市場拡大を狙う。

華井由利奈(はない・ゆりな)
ライター
愛知県出身。椙山女学園大学卒業後、印刷会社に就職。デザイン業務を1年間担当した後、コピーライターとしてトヨタ系企業など100社以上の取材を行う。2016年に独立し、2018年に初の自著『一生困らない 女子のための「手に職」図鑑』を光文社より出版。4刷21,000部を達成した。現在は2作目を執筆しながら、日経ウーマンオンラインなどで女性活躍、働き方、教育、生活情報を中心に執筆。全国各地の大学や教育講座で講演も行っている。
(撮影=プレジデントオンライン編集部)
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