日本の民主政治もいつ崩壊してもおかしくない
2月17日付の朝日社説は「米政治の混迷 真の非常事態は分断だ」との見出しでトランプ氏を批判する。
朝日社説は冒頭から「1兆円近い公金を議会の承認もなく大統領の一存で使うという。いまや米国は独裁に近い国に成り果てたのだろうか」と皮肉を込めて書き、「トランプ大統領が、メキシコ国境での壁の建設費を一気に増やすために異例の手段に出た。国家非常事態の宣言である。大統領の権限で国防費などを振り向けるという」と指摘する。
さらに朝日社説は筆を進める。
「これまで外国への制裁や、災害、テロ、伝染病などに関連して出されてきたが、今回はまったく様相が違う。議会が認めない予算を大統領が確保する政争の具として宣言されたのだ」
「米国が長い歴史をかけて築いてきた民主政治が揺らぎかねない事態である。内閣が予算を作成・提案する日本と違い、米国の予算編成は議会の専権事項とされている。トランプ氏の独断は、その厳格な三権分立の破壊行為に等しい」
朝日社説が指摘するように、これは民主政治の危機だ。そして日本の安倍首相は、そんなトランプ氏に擦り寄り、多数の力に頼る強権政治を続けている。日本にとってアメリカの政治の混迷は対岸の火事ではない。日本の民主政治もいつ崩壊してもおかしくないところまで来ている。
(写真=時事通信フォト)