野党勢力が迷走している。今夏の参院選を控え、1月24日、国民民主党と自由党は統一会派を組むと発表した。これに対し野党第一党の立憲民主党は社民党と組むという。野党は結集よりも、分裂に向かっている。1月27日の山梨県知事選では、野党側の推す現職が、与党側の推す新人に敗れた。このまま“安倍1強”が続くのか――。
2019年1月24日、会談を終えた自由党の小沢一郎代表(左)と国民民主党の玉木雄一郎代表。(写真=時事通信フォト)

「大きな野党結集の第一歩となることを期待」

何度同じ失敗を繰り返すのだろうか。

安倍1強を崩すには「野党結集」しか道がないことは分かっているのに、野党各党は逆方向に向かい始めている。“主役”となっているのは長い間政党の合従連衡の中心にいた自由党の小沢一郎代表。「平成の壊し屋」と言われたこの男は、平成が終わろうとする今も、壊し屋であり続けようとしている。

久しぶりにマスコミのフラッシュを一身に浴びた。1月24日午前、小沢氏は国民民主党の玉木雄一郎代表との党首会談で両党が統一会派を組むことを決めた後、共同記者発表に臨んだ。

玉木氏「野党の大きな塊をつくり、自民党に代わる選択肢を国民に示していくのがわれわれ野党の大きな役割だ。通常国会の開会を控えていることを踏まえ、両党で統一会派を結成することにまず合意した」

小沢氏「野党の結集、大同団結を図っていくのを最終の目標にする。われわれの合意がそうした大きな野党結集の第一歩となることを期待し、そこにつなげていきたい」

28日から通常国会が始まるのを前に、国民民主党と自由党は統一会派結成をつくることになった。統一会派を組むとは、国会で共闘するということだ。将来、合併も視野に入れる。

ところが現実には「2対2」への分断だった

小沢氏らの話を聞いて、野党結集を図るための一歩と受け止めた人もいるだろう。しかし現実は違う。逆だ。

「野党結集」の定義はあいまいだ。一般には枝野幸男代表率いる立憲民主党、国民民主党、自由党、そして又市征治氏が党首を務める社民党の4党がスクラムを組み、共産党も同一歩調を取る、というのが一般的な「野党結集」のイメージだろう。

今回の「国民、自由」統一会派は、4党のうち2つが先行的にくっついた形になる。4党結集を図っていた立憲民主党や社民党は面白いはずはない。立憲民主、社民の2党は、国民民主、自由の両党に対抗するように参院で統一会派を組むことにした。4党の結集が叫ばれている時、2対2に割れたのだ。