インフルエンザの病床からツイートする枝野氏

小沢氏は、タイミングを見て枝野氏らと会談し、大同団結を迫る考えだ。しかし、今回の統一会派騒動を受けて両者の間にできた溝は大きい。

枝野氏は23日にインフルエンザでダウンしたが翌24日、病床からツイッターで「(立憲民主党が)検討しているのは政党間の合従連衡でなく、参議院で院内会派『希望の会(自由党と社民党による会派)』のメンバーが2人になってしまうことを踏まえ院内での活動を充実させる見地から『希望の会』に残る2名の方と参議院限定の院内会派を構成しようというものです」とつぶやいた。

立憲民主党が社民党の参院での統一会派は、自由党の4人が「希望の会」から離脱したことに伴い、社民党を救済するための手段であって、「仕掛けて」きたのは小沢氏だという意味だ。

一方、小沢氏は25日、記者団に「立憲が何で社民党と一緒になったの? 数合わせはだめだ。われわれは大きな目標を目指して頑張ろうということで衆参ともに統一会派で合意した。(参院の)片方だけというのは分かりません」と皮肉たっぷりに語った。

現状を一番喜んでいるのは、野党を分断したい安倍首相

小沢氏は2003年、自由党党首時代に民主党との「民由合併」を主導し、6年後の政権奪取につなげた成功体験がある。今回の統一会派を小沢氏は「第2の民由合併」と自負しているかもしれない。

しかし、小沢氏には失敗体験もある。1994年、小沢氏らが中心となって非自民連立政権を構成していた時、連立与党内の一部だけで新会派「改新」を発足した。会派から外された社会党は怒って連立を離脱。結果として非自民連立政権は崩壊に向かった。

今回の推移はどちらかというと「1994年」の失敗に近いようにみえる。

小沢氏と枝野氏の2人が近い将来、共闘でがっちり握手する姿を想像するのは、今は難しい。そして、現状を一番喜んでいるのは、野党を分断して弱体化を図りたい安倍晋三首相率いる自民党であることは、言うまでもない。

(写真=時事通信フォト)
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