【秘技その2】他人の意見に乗っかり、自分を輝かせる
自分から画期的な意見を繰り出すのは、なかなかたいへんです。しかし、他人の意見に乗っかるのは、さほど難しくはありません。それでいて、「おお、いいこと言った!」という印象を与えることができます。
たとえば同僚が、会社の懸案となっている課題を解決できる素晴らしい案を出したとしましょう。「うん、それはいい!」と賛意を示して勝ち馬に乗ったうえで、おもむろに、「となるとあとは、誰が、いつまでに、何をするか、それを決める必要がありますね」と提案しましょう。結局、自分は何も頭を使っていませんが、素晴らしい案の推進に大きく貢献することができます。
先輩がいい意見を言っているのに、わからずやの上司がケチをつけている場合は、「たしかに、デメリットはありますが、それを最小限に抑える施策を取りつつ、メリットを拡大できれば大丈夫ではないかと」。
こう言えば、あまりに当然すぎて誰も反論できません。「具体的にはどうするんだ?」と聞かれても、きっと元々の発言者に考えがあるはずなので大丈夫です。
【秘技その3】ダメな意見や困った人を、踏み台にする
頭をよく見せるうえで利用できるのは、いい意見や賢明な参加者だけではありません。なんだかズレた意見が出たときには、「興味深い意見ですが、もう1度、今日の会議の目的を確認しましょう」と軌道修正すれば、会議のイニシアチブを握っているように見えます。
箸にも棒にもかからない意見が出たら、「もう少し具体的な情報が欲しいですね」と突っ込みましょう。すべてわかったうえで温情をかけている、懐が深い人のフリができます。
誰が何を言ってもケチをつける人がいて、おかげで何も決まらないときには、「我々は今日、意思決定をするために集まっていることを思い出しませんか」とビシッと釘を刺して、会議の何たるかがよくわかっている気配を漂わせましょう。
「まあまあ、会議は勝ち負けを決める場所ではありませんから」
「『できない』のか『したくない』のか、そこをはっきりさせましょう」
それぞれ、ここぞという場面で繰り出せば、知的で頼りになる雰囲気を醸し出すことができます。特に中身はないフレーズですけど、賢く見せたいがために無駄に噛みつく人に比べたら、さほど害はありません。