まぶたが下がるのを予防するには、ホットタオルなどで目の周りを温めて、血流をよくすること。また、コンタクトレンズは長時間の使用を控えるか、眼鏡を勧めてください。特にハードタイプは、まぶたが下がりやすいので要注意です。
根本的な解決策としては、眼科で手術を受ける方法もあります。まぶたの皮膚を切って上を見やすくするもので、30分から1時間程度で終了し、1週間ほどで抜糸できるので、体への負担は少なくリスクもほとんどありません。
【第3位】止まらない、ネガティブ発言
高齢になると、「私のことが邪魔なんでしょ」などとネガティブな発言が増える傾向にあります。聞かされる家族は気が滅入りますが、「そんなこと言わないで!」と注意しても効果はさほどありません。人間の脳は、昔のことはポジティブに捉え、最近のことはネガティブに捉える構造になっています。だから高齢者は、「昔はよかった」という話はしても、最近のことはどうしても悪く言いがちなのです。
家族は親を気遣うつもりで、「料理は私がやるから、お母さんはゆっくりして」「庭の木の手入れは危ないから、親父はやらなくていいよ」などと言いますが、親は自分が役に立たない人間のように感じます。すると、ますます発言がネガティブになるのです。
この場合の適切な対応は、むしろ親に家事や仕事をお願いすることです。植物の世話や安全な場所の掃除などを頼むとよいでしょう。さらに「お手伝い、ありがとう」といったポジティブな反応を忘れないこと。高齢になるほど感情を伴う記憶は残りやすくなるので、少し大げさなくらいに表現すれば、親も満足感や充実感を得た記憶が定着しやすくなり、ネガティブな発言は自然と減っていきます。
▼老親にありがちな事例とやってはいけない対応策
(1)言うことを聞かないとき
×:親に怒る
○:低い声で話す
(2)運転・歩行が危ないとき
×:外出を禁止する
○:目を温める
(3)ネガティブ発言が多いとき
×:やめてと言う
○:役割をつくる
(1)言うことを聞かないとき
×:親に怒る
○:低い声で話す
(2)運転・歩行が危ないとき
×:外出を禁止する
○:目を温める
(3)ネガティブ発言が多いとき
×:やめてと言う
○:役割をつくる
(構成=塚田有香 撮影=的野弘路 写真=iStock.com)