続かず挫折しても、自分を責めないで

逆算勉強法を実践していても、モチベーションが続かなくなることがあります。そんなときのために、一歩引いて自分の性格を観察し、うまく利用すること、つまり感情のコントロールも身に付けておくと便利です。

東京大学医学部5回生 河野玄斗氏

例えば、僕は負けず嫌いな性格なので、「人に負けたくないという気持ちが自分のなかにある」ことを自覚し、その感情に流されるのではなく、「その気持ちを利用してやる気に変えよう。この試験に受かったら、みんなびっくりするぞ」と、みんなが驚いている姿を想像することでモチベーションを維持してきました。そのため、司法試験を受けることは周囲に伝えず、秘かに勉強を続けていました。

同じように「絶対に人を裏切れない性格」なら、その性格を利用して、同じ試験を受ける友人と2人で手分けして勉強し、毎週末は教え合う日というように決めます。約束をしてしまった手前、「やっていかないと相手に迷惑がかかる」というプレッシャーで、怠けることはできないはずです。ちなみに、相手に教えるようにすると、本を読むときにも「ここはこう説明したら相手にわかりやすい」と注意して読むようになるので、理解力が増して一石二鳥です。

「それでもどうしても続かない、挫折した」ということがあっても、自分を責めないでください。それはおそらく、あなたにとってそこまで緊急でとらなければいけない資格や試験ではなかったのです。あなたを幸福にする目標やゴールはほかにあるはずだと思います。

河野玄斗
東京大学医学部5回生
1996年、神奈川県生まれ。私立聖光学院高等学校卒業。2017年、司法試験合格。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストベスト30入り。著著に『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法』。
(構成=干川美奈子 撮影=的野弘路 写真=AFLO)
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