司法試験に一発合格した東大医学部5回生、河野玄斗さん。試験勉強で常人離れしたスケジュールをこなしたのかと思いきや、ゴールから「逆算」していく独自の勉強法は、誰でも真似ができるものだった。「プレジデント」(2019年2月4日号)の特集「2019年 時間革命」より、記事の一部をお届けします――。

予定は変わるもの、帳尻合えばOK

東大医学部4年次に司法試験を受験した際、僕が行ったのは「逆算勉強法」。無駄を削ぎ落とし効率を重視しています。次の5つの順に行います。

(1)「○○をしたいから、この試験で○点をとる」といった目標(ゴール)を決める

(2)過去問題を見たり、その試験や資格に受かった複数の人に話を聞いたりして、どんな勉強が必要かといった情報を集める

(3)(2)の情報と、自分が苦手とする部分を照らし合わせ、必須でやらなければいけない勉強をあぶりだす

(4)試験日までの日数で、(3)で出した勉強をどのくらいずつやれば終わるか、大まかなスケジュールを立てる

(5)毎朝、その日に勉強することを細かく分けてTO DOリストにし、実践していく

挫折してしまう原因の1つは、「目標がはっきりしていないために、途中でやる気がなくなる」ことではないでしょうか。だからこそ、(1)が重要です。

例えば、「TOEICで700点以上をとる」だけでは、勉強できない日が続いたとたん、「今は忙しいから、将来とれればいいや」と諦めてしまいがちです。そうではなくて、「今年は子どもも生まれるし、もっと条件のいい会社で働きたい。夏までに転職をするために、6月のTOEICで700点以上とる」といった明確な目標があれば、それに向けて勉強できます。

一方、目標ははっきりしていたのに、「あれもこれもやらなければと焦るあまり、優先順位を付けられず、結局やらなくなった/試験に落ちた」という方もいらっしゃるかもしれません。試験日までに何をどういった手順でやる、といったロードマップがないとブレやすいですし、闇雲に勉強していては時間がいくらあっても足りません。それを回避するために行うのが(2)と(3)と(4)です。

 

※「プレジデント」(2019年2月4日号)の特集「2019年 時間革命」では、本稿のほかにも、天皇陛下の執刀医・天野篤教授ら“図抜けた結果を出す”現場の方々のインタビューなどを通して、時間という資源の実践的な使いみちを徹底追究しています。ぜひお手にとってご覧ください。