結果が出なかったアスリートにどう声をかけるか

私の場合、先日自己ベストを更新した選手に対し、次のように伝えました。

「すばらしいですね! おめでとうございます。とうとう自分の壁を超えましたね。きっと何度もあきらめようと思ったことがあったと思いますが、それにめげずに自分を信じて努力し続けたからこそ得られた結果ですね。今回の結果でさらに自信が持てそうですね。本当におめでとうございます!」

先ほどの実験と同じく、努力の過程を強調して褒めるようにします。

では仮に、結果が出なかった場合は、どのように伝えると良いのでしょうか。

「結果は思うようにならなかったけれど、○○○○などのチャレンジをしていましたね。そのような頑張りは、間違いなく次につながります。とても良い経験だったと思いますよ」

結果が出なかった場合にも、このように過程をクローズアップするようにします。

一流のリーダーは「過程」を褒める

頑張りや努力の過程を褒めると、褒められた相手はどのような結果であれ、前向きな気持ちになります。自然とモチベーションも引き出されます。さらに、そのようなメッセージを送ってくれたリーダーに対し、信頼の気持ちを抱きやすくなります。過程を褒めるのはメンバーのことをしっかり見ていないとできないことだからです。二流のリーダーは「結果」を褒めて相手を伸ばそうとしますが、一流のリーダーは「過程」を褒めることで自発的に相手を伸ばすのです。

褒めることに抵抗感のあった方も、少しは褒めてみようかという気になっていただけたでしょうか? できれば今日中に、一度メンバーを褒めてみてください。たとえば、昨年のメンバーの努力(結果ではなく過程)を思い返し、年始の声がけとしてみてはいかがでしょうか。一度、褒めてしまえば、無駄に高くなっていた褒めることへのハードルはすっと下がります。